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歴史・伝承

松江藩主の廟所として
受け継がれる
歴史と逸話

松江藩歴代藩主の廟所として、
長きにわたり守られてきた月照寺。
江戸時代から続く歴史を
今に伝える文化財が点在し、
藩主たちにまつわる逸話が息づいています。
それぞれの史跡には、
松江の歴史と文化が刻まれ、
訪れる人々に過去の面影を伝えています。

茶筅塚

月照寺とお茶の縁は深く、茶道を支える道具のひとつである茶筅(ちゃせん)を供養するための塚が建立されています。
茶筅塚は、使い込まれた茶筅への感謝と、茶の湯文化の継承を願う象徴として、茶人たちの信仰を集めています。

初代直政公の生母月照院様の墓所

関東大震災を契機とした東京・天徳寺の松平家墓所移転にともない、月照院の墓も改葬されました。
この墓塔は江戸で造られたもので、改葬により月照寺へと移された歴史があります。
松江藩の礎を築いた直政公の母にまつわる貴重な史跡です。

旧本堂跡

江戸時代に建立された本堂は、明治維新の影響で取り壊され、その後、かつての規模では再建されていません。
大正時代には再建計画がありましたが、実現することはありませんでした。
その名残として、旧本堂跡には今もなお礎石が静かに佇んでいます。

雷電の碑

雷電為右衛門は、江戸時代に活躍した力士で、1767年に信濃国(現在の長野県)で生まれました。
不昧公の庇護を受け、20歳のときに松江藩お抱え力士となり、通算254勝10敗という驚異的な成績を残し、史上最強の力士と称されました。
この碑には雷電の大きな手形が刻まれ、碑文は『雷電』の作者・尾崎士郎によるものです。

大亀の寿蔵碑

小泉八雲の随筆にも登場する「月照寺の大亀」は、六代藩主の廟門の中にあります。
その風格ある姿は時を超えて語り継がれ、訪れる人々の目を引きます。
また、頭を撫でると長生きできるという言い伝えがあり、願掛けに訪れる人も少なくありません。